冷たい夜間バスのなかで、氷結した窓ガラスをぼんやりと見つめ、ふとあなたのことを思い出した。
美しい記憶しか覚えていない。なんか不思議なと思った。
その指先から流れ出すピアノの音
ふたりしかいなかった真っ暗なギムナジウム外、「久しぶりに」ギターを弾いていた人
一つ一つごく普通な花の名前を教えてくれた人
普段の静かなイメージを一変し、格好よく踊っていた姿
私に貸した片方のイアホンから聞こえた歌
……
目を閉じなければ、何かがもう零れ落ちてしまったのかもしれない。
I miss you.
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